私がマクドナルドに在籍していた頃、当時の八木社長が主導していた「フロアーコントロールコンテスト」という大会がありました。
これは、**Q(品質)S(サービス)C(清潔さ)+V(付加価値)**をベースに、
その現場を動かす“コーディネーターとしてのマネジメント力”が問われる大会。
そして何より特筆すべきは、審査時間がたったの30分。
その短時間の中で、まったく知らない店舗・知らないクルーたちと現場に立ち、
瞬時に信頼関係を築き、オペレーションの流れを整え、お客様に感動を届ける。
まさに、“その人の真のマネジメント力”が一目で試される場でした。
私はこの大会で、京都の竹田街道店のアシスタントマネージャーとして出場し、
関西地区で3期連続で優勝しました。
しかも、その1年半は、どの現場でも誰にも負けなかった。
いまでも、3着の“優勝ジャケット”を見るたびに、その重みを思い出します。
でも──
この栄光の裏にあったのは、「任せる勇気」と「人を信じる力」でした。
初めての現場で、初対面のスタッフたちと30分でチームを作るには、
完璧な指示よりも、「信じて任せる」方が、遥かに効果があった。
誰よりも先に動くのではなく、
誰よりも先に“人の目を見て、心を動かす”ことを選んだとき、
目の前の空気が変わり、クルーたちが自ら動き始めたのです。
その瞬間こそが、マネジメントの真髄だったのだと、今ならわかります。
この3連覇の副賞として、私はアメリカ研修に招かれました。
実は──
その旅先で、ある1本のワインと出会ったことが、
私のその後の人生を大きく変えることになります。
次回は、その「アメリカで出会ったワイン」がどのようにして
“つるのおもてなし”の原点に繋がっていったのかを綴りたいと思います。
『つるっち』こと 今鶴 博でした。