ハンバーガー大学で学び、WINNERに選ばれた私は、自信を持って現場に戻った。学んだマネジメント理論を活かし、「しっかり管理し、統率の取れたチームを作る」 ことを目指した。しかし、思ったようにはいかなかった。

オペレーションの流れを整理し、スタッフへ明確に指示を出しても、チーム全体の動きが改善されない。仕事のスピードや正確さを求めても、指示を待つスタッフが多く、自発的に動く雰囲気がなかなか生まれなかった。理論だけでは、現場は回せない。

この時期、私は「管理」だけでは人は動かない ことを痛感する。どんなに明確な指示を出しても、スタッフ自身が「なぜこれをするのか?」を理解し、納得していなければ、心からの行動には繋がらない。そこで考えたのは、「どうすれば人が自ら動くのか?」 ということだった。

「指示するのではなく、任せることで力を引き出す。」 それがエンパワーメントの考え方だと知ったのはこの頃だった。最初は手探りだったが、単に「やってもらう」のではなく、スタッフ自身に責任を持たせ、小さな成功体験を積ませることで、仕事への意識が変わる ことに気づき始めた。

こうした意識の変化が、やがてチームの成長を生み出し、自分自身のマネジメントスタイルを大きく変えていくことになる。そしてこの気づきが、やがて関西マネジメントコンテスト3連覇へと繋がる大きな転換点 になっていく。

次回は、エンパワーメントを意識し始めたことで迎えた、「目覚ましい成長期」 について書きたいと思います。

『つるっち』こと 今鶴 博でした。