店頭に置いているワイン樽があります。

草津の酒造メーカーから、使わなくなった古い樽を譲り受けました。

私が手を入れて、店の象徴として使っている樽です。

その樽の中に、抜栓したワインのコルクを入れてきました。

ゴミには出さず、そのまま樽へ。

何年も。

草津のにぎやか塾には、以前一度だけ、お皿の制作をお願いしたことがあります。

依頼して、つくってもらい、店で使う。

その経験があったからこそ、

2024年の冬、樽の中のコルクを見ながら考えました。

これも、仕事にできないだろうか。自分から連絡を取りました。

このコルクを使った仕事はできませんか、と。

テーマを説明し、コルクを持って帰ってもらい、作品にして、守山へ戻してもらう。

それが、はじめての冬の仕事でした。

2025年の冬も続きました。

そして2026年。

はじめて、春の仕事にしました。廃コルク100個。

あの樽の中で重なってきた時間が、草津で桜になります。

工賃は、毎回きちんとお支払いしています。

お願いではなく、仕事として渡したいからです。

作業ではなく、ひとつの仕事であってほしい。

その桜の向こうに、つくってくれた人の時間があります。

私はそれを、店のいちばん見える場所に置きたい。

守山でためてきたものが、草津で形になり、また守山に戻ってくる。

完成は2月末予定です。

そして3月4日。

草津で生まれた桜が、守山市の店内に並びます。

冬から始まったことが、今年、はじめて春になります。

あの樽の中で増え続けてきたものが、誰かの手を経て、春になります。

Turu no Omotenashi(つるのおもてなし)
オーナー 今鶴 博